Sámi Village(ネッリム):ヨイクと太鼓、そしてイナリ湖のほとりに伝わる村の物語

ネッリムの Sámi Village では、イナリ湖のほとりのコタで、ヨイクの歌い手がグループやお二人連れのために予約制で公演します。2026年11月からはサーリセルカでも公演があります。

ネッリムの Sámi Village のテラスで、太鼓を手にする Kessijärven Helmin Teija さん。

Kessijärven Helmin Teija(ケッシヤルヴェン・ヘルミン・テイヤ)さん、フィンランド名 Teija Tamminen さんは、自分の仕事をひと言でこう説明します。「サーミのことを語り、ヨイクを歌います。」ヨイクとは、サーミに伝わる伝統的な歌のことです。彼女の拠点である Sámi Village は、イナリ湖の東岸にあるネッリムにあり、イヴァロから42キロメートルの距離です。私たちは10月、Teija さんがあるグループの前で公演した際に招かれ、ここを訪れました。

この土地の物語は、ネッリム村の始まりにまでさかのぼります。Sámi Village によれば、ここはサーミの人々が古くから暮らしてきた場所で、1800年代の終わりに Nuoran Pekka(ヌオラン・ペッカ)がネッリム村を開きました。彼が最初に開いた開拓農場には、イナリ・サーミ語で Njellim という名が付けられました。現在この場所は、ネッリムで最も古い伝統的なサーミの屋敷のひとつです。村の物語を訪問者に語るのは Teija さん自身です。Nuoran Pekka は彼女の祖母の祖父にあたるからです。イナリ・サーミ語での Teija さんの名前は Kessjäävri Kässeekiäđgáá Teija です。

敷地には、いまも整備が続けられている小さな私設博物館もあります。そこでは、昔ながらの方法で干した魚や肉、漁網などの漁具、そり、古い道具、サウナ、そして敷地内のほかの建物を見ることができます。

イナリ湖の岸へ向かって並ぶ、敷地の古い丸太造りの建物と囲い。

公演は大きなコタ(サーミの伝統的な小屋)の中、火のそばで行われ、女主人は伝統的なサーミの衣装をまとっています。プログラムはサーミの歌と物語、そして太鼓の演奏です。Sámi Village によると、旋律も詩もオリジナルで、ごく古いものもあれば現代のものもあります。あわせてイナリ・サーミ語を学ぶこともできます。

コタの壁には古い写真が掛かり、隅には干し草が置かれ、テーブルにはトナカイ柄のクロスが敷かれています。私たちが訪れた日、Teija さんは、私たちも招いてくれたグループ向けの公演で、ヨイクを歌い、伝統的な太鼓を奏でました。

ネッリムでの公演と食事は、グループ向けに予約制で用意されます。長さの異なるプログラムがあり、コーヒーと焼き菓子、スープ、または一通りの食事を組み合わせることができます。Teija さんはお二人連れのために公演したこともあり、これも予約制で可能です。料金と各プランはSámi Village のウェブサイトに掲載されています。

コタの中でヨイクを歌い、伝統的な太鼓を奏でる Teija さん。

2026年11月から、Teija さんはサーリセルカでも公演します。新しい会場はサーリセルカ中心部の Lutontie 2 A 8 にあり、名前は Ságe です。この名前は Sámi Village という言葉から作られたもので、Teija さんによれば「賢者」を意味します。自分がシャーマンだとは言いませんが、イナリ・サーミの一人として、サーミ語の教師として、そして作家として、ある種の賢者ではあるそうです。

サーリセルカでのサーミの公演は週に数晩行われ、所要時間は一時間弱です。予約はSámi Village のウェブサイトからできます。

Teija さんはオウル大学で学び、2013年、イナリ・サーミ語を主専攻とする初めての修士となりました。それ以前は、二十年ほど林業技術者として働いていました。公演のほかに、Hitruu! シリーズのために物語を集め、書いてきました。イナリ・サーミ語で書かれたシリーズの四冊は、ネッリムとイナリ・サーミの人々、そしてその文化について、実際の出来事にもとづく物語を伝えています。物語では、Ánná と Saammâl の小学三年生から六年生までが描かれます。最初の一冊は、イナリ・サーミ語を外国語として学ぶために作られました。各巻にはイナリ・サーミ語とフィンランド語の語彙集があり、語学学習用の音声も制作されています。挿絵は Riitta Ahonen が描きました。

Sámi Village によると、売り上げは、イナリ・サーミの人々の物語を次の世代のために記録し続けることに充てられます。五冊目もすでに制作中で、本の詳しい紹介はSámi Village の書籍ページにあります。

コタのカフェでは、グループ向けにトナカイ肉や魚、ベリーといった地元の伝統料理を出しています。カフェには酒類を提供する許可があり、敷地では地元の手工芸品も買えます。メニューにはモクテル(ノンアルコールカクテル)が二種類あり、名前は Piäkká(Pekka)と Kässeekiäđgáš(Helmi)です。前者にはクラウドベリー、後者にはリンゴンベリーが使われています。

カフェへは湖側からも来られます。夏はボートで、冬はスノーモービルで訪れることができます。岸には、大きめのボートも着けられる頑丈な桟橋があります。

敷地には貸し出し用のコテージも二棟あり、どちらもイナリ湖に面した専用の岸辺があります。大きいほうには寝室が二つ、サウナ、暖炉、屋外ジャグジーがあります。Sámi Village によれば、自然が許せば、コテージの窓からオーロラが見えるそうです。コテージの貸し出しについては Teija さんに直接問い合わせることができ、詳しくはSámi Village のコテージページで紹介されています。

冬になると、Sámi Village はゲストを juomus(ユオムス)に案内します。氷の下で網を引く、伝統的な冬の漁です。静かで広々とした原野の湖で、極夜の薄明かりのなか、氷の下に沈めた網を引き上げます。魚が獲れることは保証されています。網が空だったときは、前もって獲っておいた魚を持っていき、その切り身を氷の穴のふちで焼きます。温かい飲み物は、好みのものをリクエストできます。

ほかにも、スノーモービルが引くそりに乗ってオーロラを見に出かけたり、専属ガイドについてスノーモービルの運転を習ったり、トナカイを撮影したり、スノーシューを借りたりできます。視界の開けた湖岸は、オーロラを眺めるのにもよい場所です。

Sámi Village は、イナリ・サーミの言葉と文化、そして伝統的な環境と生業を大切にしていると述べています。敷地では古い建物が保存され、昼食には地元のジビエ、魚、ベリーが出されます。同社のウェブサイトによると、Biosphere のサステナビリティ・プログラムと、Visit Finland による持続可能な観光のプログラム Sustainable Travel Finland に参加しています。

雪に覆われた Sámi Village の敷地。

Sámi Village によれば、ネッリムではコテージの扉を出たとたん、原野の自然が広がっています。敷地は Nellimintie 沿いにあり、イヴァロ空港からは約50キロメートルです。イナリの中心部とサーミ博物館シーダまでは車で一時間あまり、サーリセルカまでも同じくらいかかります。ノルウェー側の Øvre Pasvik 国立公園へは、標識のある小道が通じています。

グループの見積もりはフォームか電話で依頼できます。サーリセルカでの公演を含むすべてのプランは samivillage.fi で確認できます。

イナリ湖のほとりのコタで、ヨイクを聴いてみませんか

イナリ・サーミのヨイクの歌い手 Kessijärven Helmin Teija さんが、ネッリムではグループやお二人連れのために予約制で、2026年11月からはサーリセルカ中心部でも公演します。

ネッリムのコタで、ヨイクを聴いてみませんか

イナリ・サーミの Kessijärven Helmin Teija さんが、イナリ湖のほとり、ネッリムのコタでサーミのことを語り、ヨイクを歌います。公演はグループまたはお二人連れで予約できます。

2026年11月から、Kessijärven Helmin Teija さんが Lutontie 2 A 8 の Ságe でヨイクを歌い、サーミのことを語ります。公演は週に数晩で、所要時間は一時間弱です。