オーロラ撮影:実際に効く設定

フィンランド・ラップランドで実際にシャープなオーロラ写真が撮れる設定、場所、時間帯。北欧で撮影を生業にしている写真家の実践から組み立てた。

ラップランドから残念なオーロラ写真を持ち帰る最大の理由は、オーロラのせいではなくカメラの設定だ。

光は動き、条件は寒く、Instagramで見たあの一枚はおそらくf/1.8、ISO 1600、8秒で撮られている。

スマホの「ナイトモード」にそれを自動でやってくれる機能はない。

以下は、実際にラップランドのオーロラを生業として撮っている写真家たちの意見が収束するところと、

その設定が安定して効く場所と時間帯だ。

出発点の設定(マニュアル): ISO 1600、絞りf/2.8以上に開ける、シャッター8〜10秒、フォーカスは手動で無限遠。

活動に合わせて動かす: 明るく速いオーロラ → ISOを下げ(1600→800)シャッターを速く(10秒→3〜5秒)。淡く遅いオーロラ → ISOを3200まで上げ、15〜20秒の露光に( CaptureLandscapes 、 Kevin Pepper )。

最良の時間帯: 現地時間21:00〜02:00。夜が更けるほどオーロラオーバルが南へ流れてくる(NOAA SWPC)。

晴天時間の多い拠点: イナリ、サーリセルカ、ネッリム、キルピスヤルヴィ。いずれも北緯68度以北で光害が少ない。

要る機材: 頑丈で寒さに耐える三脚、14〜24mmの広角、予備バッテリー2本以上(寒さで持ちが半分になる)、リモートレリーズか2秒タイマー。

形式: RAWで撮る。ホワイトバランスは手動で3500〜4000K前後に。低い色温度ではオートWBが嘘をつく。

1. マニュアル。RAW。手動フォーカス。

オーロラでは「オート」が付くものはすべて失敗する。シーンはオートフォーカスのモーターが合焦するには

暗すぎるし、自動露出計は緑のリボンと黒い空をどう扱っていいか分かっていない。

M に切り替え、記録形式を RAW にし、レンズを 手動フォーカス にする。

無限遠には手で合わせる。ライブビューで明るい星に拡大し(10倍)、星が最も小さな点になるまで

フォーカスリングを回す。合ったらリングをテープで固定する。そのあとの接触ひとつで一枚が消える。

初めての夜に誰もが撮ってしまう甘くぼやけた写真と、シャープなオーロラ写真を分ける最大の差がここだ。

レンズを最も開いた絞りにする。明るい単焦点なら f/1.4かf/2.8 、

キットレンズでそれが限界なら f/4 。光が足りていない状況で、絞り1段はISOのノイズ1段ぶんに

そのまま換算される。ミッコ・ラーゲルステッドのガイドも、現場のラップランドの写真家の大半も、

実用上の下限はf/2.8以上という点で一致している。

3. ISO 1600。そこから動かす。

をはじめ、多くの現場の写真家に共通する「最初の一枚」の設定だ。そのうえでオーロラを読む。

明るく速く動くオーロラ: ISOを800まで(強いサブストームなら400まで)下げ、シャッターを3〜5秒に締める。緑のにじみに潰さず、リボンの構造を残せる。

淡く遅いオーロラ: ISO 2500〜3200まで上げ、シャッターを15〜20秒回す。最近のフルサイズはこれをきれいに処理する。APS-Cでも使えるが、ノイズは増える。

町明かりや月夜: 空が明るいのでISOは2500〜3200へ、シャッターはやや速めにして前景の白飛びを抑える。

4. シャッターは5〜25秒、ただし動きのぶれに注意

オーロラは動く。長い露光は動きを捉えるのではなく、ならしてしまう。速く動くオーロラを25秒で撮れば

のっぺりした緑の帯になり、同じ場面を5秒で撮れば、写真を記憶に残すレイと巻きが出る。

長いほうの端を使うのは、オーロラが構造として静かなとき(ゆっくりしたアーク、淡く広がった表示)だけだ。

2秒のセルフタイマーかリモートレリーズを使う。多くの機材では、10秒露光で手押しすると

最も北で、最も暗く、最も乾いた場所が、仕事の大半を肩代わりしてくれる。構造的な決まりが三つある。

北緯68度以北は寛容だ。 イナリ、ウツヨキ、ネッリム、キルピスヤルヴィは

Kpが低くてもオーロラオーバルの内側に入るので、弱い活動(Kp 2)でも晴れた夜なら頭上に出うる。

ロヴァニエミ(北緯66度)で同じ見え方を得るにはおおむねKp 4が要る。北へ寄るほど条件は下がる。

町の外が町の中に勝つ。 リゾートの村(レヴィ、サーリセルカ中心部、ロヴァニエミ中心部)

には環境光があり、淡いオーロラを洗い流して、必要以上にISOを上げさせる。凍った湖や山腹の

待避スペースまで15分走るだけで、空がまるで変わる。

本当の敵は雲だ。 イナリと東ラップランドの国境地帯は、西側の山地より統計的に